第10回 触覚を意識した時、一人遊びが止まらなくなります

第10回 触覚を意識した時、一人遊びが止まらなくなります

皆さんまたもやお久しぶりです。最近の僕は砂場に夢中になっていて、いろんな砂場を見たり造ったりしていました。今回はそんな砂場とも結び付きが強い「触覚」のお話です。まずはこちらで前回までのお話を振り返ってみてください。では今回は「基礎感覚」の「触覚とは何なのか」「遊びの中でどのように作用しているのか」を考察していこうと思います。

触覚もよく聞く感覚の一つだと思いますが、具体的に触覚とはどのような感覚を得ていると思いますか?お察しの通りですね。触覚は「熱い」「痛い」「柔らかい」など、触覚は皮膚から感じられるすべての感覚を取り入れています。しかし考えてみてください。皮膚ってものすごい広範囲じゃないですか?僕たちは触覚という感覚をまとって生活しているといってもいいかもしれませんね。

目を閉じて腕を上下に振ってみてください。風を感じることで輪郭を感じることができたと思います。こうやって自分の身体の大きさを把握していくとボディイメージが発達し、「あの空間は通れそうかな?」とか「少し体を屈めなければいけないな」などと環境に適応していくことができるのです。

遠くから刺激が入ってくる視覚や聴覚とは違い、触覚は直接皮膚で刺激を受け取ります。触覚と一言で言っても、圧覚、痛覚、温覚などさまざまな種類の感覚があったり、それぞれ異なった感覚受容器から刺激を受け取っているなど、複雑な触覚の構造を話していると全然ページが足りないので割愛しますが、「触覚受容器、触覚種類」などでググってみるとめちゃくちゃおもしろいのでぜひ。

例を使って雑に説明すると、皮膚に何かが触れる→「かたい(触・圧)」「冷たい(温度)」「つるつるしているしボコボコもしている(触・圧)」「穴が開いている(触・圧)」「丸い(触・圧)」「薄い(触・圧)」→ポケットに入っているの五円玉(識別)じゃん!みたいな感じですね。五円玉を覚えている人であれば、ポケットに手を入れて指先でつまんだ瞬間に識別できますよね。

触れたものを識別するのも触覚の大切な役割でもあります。また熱いものや危険そうなものが触れた時に自分から遠ざける反応をしますよね?こういう防衛の役割だったり、泣いているこどもの背中をさすったり、抱きしめたり情緒を安定させるのも触覚の働きです。

身近な感覚なので想像しやすい場面が多いかと思います。僕は目をつぶって自分の身体の輪郭を触覚で感じる遊びを一人の時によくやります。腕を動かす時も腕を動かす感覚ではなく、皮膚に空気が当たる感覚を一番に感じるように意識するだけで、自分の身体が今までと全然違うように感じます。これ本当に楽しいのでやってみてください。

今回の絵説明です。

育ちは凸凹 感覚統合ってなぁに?

はたしてこれを絵と呼ぶんですかね?次回は、遊びと触覚です。砂場!!!!ではまた。


小野寺聡太(おのでらそうた)
バンド活動中心の生活を続けながら、ライブハウスに就職し企画制作、映像編集、プロデュースのようなことを10年続ける。現在、株式会社アネビーにて、環境に合わせた遊具の設計と提案を繰り返し、こどもたちの遊び創りを研究中。日本感覚統合学会会員(新人)。2児の父。
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