第11回 砂場の砂は冷たいね

第11回 砂場の砂は冷たいね

では早速便利な機能「前回のお話はこちら」。今回は、触覚のどういった感覚が楽しいを倍増させているのかという視点から遊びを考えてみましょう。

園庭で遊んでいるこどもたちを想像してみましょう。木でできた遊具や鉄でできた遊具を小さな手でしっかりと掴み、硬さや形の違いを感じています。手すりひとつでも、握った手と手すりの太さや硬さなどを判断し、これくらい力を入れて握れば大丈夫かなと決断することで、自分でしっかり防衛しながら何度も挑戦を繰り返します。高いところに登って風を感じたり、滑り台で風を感じたり、気持ちいいなぁと思う瞬間もたくさん生まれていきます。トンネルでは自分の身体の大きさを想像し、頭をぶつけないように潜っていきます。何度も何度も繰り返しスイスイ進んでいきますよね。自分と世界を把握していくことって楽しいんです。

さて僕の大好きな砂場ではどうでしょうか。夏の砂場の砂は「さらさら」していて「暖かい」ですが、手を砂の中に入れてみると少し「ひんやり」している。こういう発見も触覚があるからできることですよね。水を混ぜると「さらさら」から「ぎゅっ」とまとまります。あまり水を混ぜすぎると「しゃばしゃば」になり形をつくれないなぁとか、触覚からの情報を蓄積し何度も何度も経験して砂場のシェフや建築家や芸術家は生まれていきます。もちろんほかの感覚情報と一緒に蓄積されていくので、立ち振る舞いや生活音や声がけの再現度もどんどん高くなっていくのが砂場の最高なところです。

外だけではなく室内でも触覚を楽しむ素材を使った遊びはたくさんあると思います。ビニール手袋をつけて粘土を触るだけで、いつもより鈍く感覚を感じておもしろがるかもしれませんし、積み木などのおもちゃ選びも、触り心地がいい木や塗料などがあると思うので、いろいろ意識して選んでみると遊ぶ頻度が変わったりするかもしれませんね。そういう情報があったら教えてください。

今回も最後に書いておきますが、僕は「楽しくて楽しくて遊びが止まりません環境」に少しでも近づけるように悩みまくろうと思っていますので、こうしたらもっとよくなる気がするとかこういうところは全然違うと思うなど、会った時にはいろんなお話を聞かせてください!

次回は固有覚です!絵というか文字と色な気がしてきました。どうぞ。

育ちは凸凹 感覚統合ってなぁに?

ではまた。


小野寺聡太(おのでらそうた)
バンド活動中心の生活を続けながら、ライブハウスに就職し企画制作、映像編集、プロデュースのようなことを10年続ける。現在、株式会社アネビーにて、環境に合わせた遊具の設計と提案を繰り返し、こどもたちの遊び創りを研究中。日本感覚統合学会会員(新人)。2児の父。
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