前回は、「感覚統合」とは脳の機能で、日々生活している中で同時に入ってくる無数の感覚情報を、分類したり整理したりして体に伝えているんですよ、というお話をしました。今回からは「感覚統合」には欠かせない感覚のお話をしていきたいと思います。ではなぜ「感覚統合」に「感覚」が欠かせないのでしょうか? その答えは前回最後に載せた「発達のピラミッド」の画像が教えてくれます。ドンッ!
この「発達のピラミッド」は、こどもたちの発達の過程を表したものになります。ピラミッドの1番下には、聴覚・前庭覚・固有覚・触覚・視覚の5つが並んでいます(※)。この5つの感覚は、一般的に五感と呼ばれているものから味覚と嗅覚を抜いて、そこに固有覚(体の位置がわかる感覚)、前庭覚(バランス感覚・速度や傾きを感じる感覚)を加えたものです。その5つの感覚を基礎感覚と呼びます。この基礎感覚の段の上には、姿勢維持・筋緊張・バランス・眼球運動の段が積まれていますね。さらに上には、ボディイメージ・運動コントロール・注意の持続が積まれ、
- 目と手の協調・言語・発語
- 情緒、社会性の発達
と下から上へと進むにつれて基礎的な身体の機能から意識的な運動へと変化し、一番上にある非認知能力(根っこの力)と呼ばれる段まで積み上げられています。ここで重要になってくるのが、同じ段の項目がバランスよく発達していないと、次の段の項目もバランスよく発達していかないということです。このカプラで作られたピラミッドを頭の中で積んでいってみてください。一番下の段がバラついていると、うまく上に積み上げていけないことが想像できたかと思います。もちろん実際の発達段階は図のように、こんなハッキリとレイヤー分けされてはいませんし、行ったり来たりしながら上へ積み上げていくことになるのですが、基礎感覚がバランスよく発達しているというのが、こどもたちにはとても大切になってくるのです。
とはいえ、こういった説明だけで理解するのは難しいと思うので、次回はもう少しイメージしやすくなるように例を交えていきたいと思います。今回のお話も視覚化してみましたので、この図でお別れです。
すごくわかりやすい気がしますがどうですか?ではまたお会いしましょう!