第9回 視覚は3回になってしまいそうでしたが、2回でまとまり安心しました

第9回 視覚は3回になってしまいそうでしたが、2回でまとまり安心しました

では早速、便利な機能「前回のお話はこちら」。今回は、有意識・無意識関係なく、視覚は遊びにどのような影響を与えているのでしょうか。機能しているというよりは、楽しいを倍増させているという視点から考えてみようと思います。

視覚ですから当然見た目は大事ですよね。園庭でドドーンと存在感を放っている複合遊具は、僕たち大人のスケール感でも大きく感じるので、こどもたちにとってはお城のような大きさに感じているでしょう。とてもワクワクし「あの上に行ってみたい」と、ふだんはアクティブではない人もクライミングに挑戦したり、上から垂れ下がっているはしごに足をかけてみたりしながら自分のできることを考え乗り越えていきます。

またある人は、なかなか登らずに登れる人の動きをじーっと見ています。「最初はそこに足をかけて、その時は手でそこを掴むのか」と研究しているのかもしれません。この時ミラーニューロンという、登っている人を見て自分の脳内で経験し、まるで体験したかのように覚えてしまう神経細胞が発火しているといわれています。そういった遊びの研究者が数回の挑戦で見事に登っていく姿は、遊具を導入させていただいているとよく見る光景です。これもまた視覚が遊びを楽しくさせているといえる現象ですよね。

砂場ではどうでしょうか。お城をつくってみたり、星の枠に入れて星をつくってみたりと、視覚が楽しさを倍増させてくれています。スコップなどの道具も、形状からどのようなことに使えるか考えたりして、板を使ってスコップよりもっと深く掘っていたりしますよね。この砂場に水を流してみましょう。水が太陽の光でキラキラしていたり、さっきまでの砂より色が濃くなったり。また、水を透明なコップに入れ、その中に物を入れると大きく見えるなど、こどもたちは視覚を通していろいろな発見をしていきます。

滑り台では、すごいスピードで滑走しそれに伴い視覚もすごいスピードで変化します。また、遠くを見ているとあまり背景は動かないのに、近くを見るとすごいスピードで動くといった変化を感じ、楽しいは増幅され何度も何度も滑って遊ぶのです。トンネルなどの隠れる空間は視覚を遮断し、ふだんとは違うワクワクやドキドキを与えてくれます。

カードゲームや間違い探しなど、視覚的要素で思いっきり楽しんでいるものでも、友達やお母さんやお父さんやお兄ちゃんなど、誰かと遊んで笑顔が出てくると楽しくなっていきますよね。ちなみにこの笑顔の連鎖もミラーニューロンだといわれています。僕も人が笑っているのを見るとなんだか楽しい気分になってきますし、めちゃくちゃ闇に葬られている時でも、こどもが笑っていると気づけば自分もニコニコしています。人を見るってとても楽しいことなんですよね。

少し話がそれた気もしますが、視覚とはものすごく多岐にわたり僕たちに楽しさを与えてくれていることがわかったかと思います。しかし、視覚も当然情報が入りすぎると不快だったり、疲れてしまう人もいます。そんな人のために隠れ家のような場所が遊び場にあると、視覚情報を遮断しながらみんなと遊んでいる環境をつくれるんじゃないかと思います。

何度も言いますが、僕は「楽しくて楽しくて遊びが止まりません環境」に少しでも近づけるように悩みまくろうと思っていますので、こうしたらもっとよくなる気がするとか、こういうところは全然違うと思うなど、会った時にはいろんなお話を聞かせてくださいね!

ではこれで視覚は終わりまして、次回からは「触覚」です。そして今回も恒例の「視覚」でまとめて終わりにします。

育ちは凸凹 感覚統合ってなぁに?

僕は大満足していますが、毎回ちゃんと伝わっているのか不安です。ではまた。


小野寺聡太(おのでらそうた)
バンド活動中心の生活を続けながら、ライブハウスに就職し企画制作、映像編集、プロデュースのようなことを10年続ける。現在、株式会社アネビーにて、環境に合わせた遊具の設計と提案を繰り返し、こどもたちの遊び創りを研究中。日本感覚統合学会会員(新人)。2児の父。
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